デンマークは、北欧の国のひとつです。
北欧というのは、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランドの5か国のことです。このうち、デンマークとスウェーデンとノルウェーは、スカンジナビア諸国と言って(デンマークはスカンジナビア半島ではないにもかかわらず)、文化的に近い関係にあります。フィンランドは、どちらかというと、ロシアと深いつながりがあります。アイスランドは、かつてはデンマーク領でしたが、1944年に独立しました。
多くの世界地図で、北欧はかなり大きく描かれていますが、これは北に行くほど引き伸ばされているからで、実際にはそれほど広くはありません。北欧諸国のうち、国土面積が日本より広いのは、スウェーデンだけです。デンマークは九州よりやや大きいくらいです。
北欧地域の国民は、互いにパスポートなしで旅行ができ、自国以外でも自由に就労できます。その場合も社会保障や選挙権が与えられることになっています。
デンマークは、この北欧諸国全体と密接に結びついている一方で、地理上はヨーロッパ大陸に連なっています。
ドイツの北に突き出たユトランド半島の一部と、その周辺の406の島から成り立つ国が、デンマークです。ユトランド半島は、もともと全域がデンマーク領だったのですが、19世紀にドイツとの戦争に敗れ、半島南部を割譲することになりました。ちなみに「ユトランド」というのは、英独混用の読み方で、デンマーク語では「ユラン」と言います。406ある島のうち、居住者がいるのはおよそ80の島で、その中で主要なのが、首都コペンハーゲンのあるシェラン島と、アンデルセンの出身地オーデンセのあるフュン島です。
デンマークの西側には北海があり、東側にはバルト海があります。したがって、デンマークは、バルト海から北海にいたる海洋ルートと、スカンジナビア半島から中央ヨーロッパにいたる貿易ルートの交点に位置するわけです。この場所は、歴史的に見ても、商業の発展や政治・軍事の面に大きな影響を及ぼしました。
デンマークの総人口は約534万人です。国民の大部分は都市部に住んでいて、首都コペンハーゲンには約136万人が居住しています。2番目に大きな都市はオーフスで、約21万6000人が暮らしています。外国出身者は5%ほどで、加えて国境地帯には少数のドイツ系住民が住んでいます。
地形はきわめて平坦で、最高地点のイディング・スコウホイでさえ、海抜173mしかありません。標高147mの山にも 「天の山」という名が付けられているほどです。もっとも、平坦とは言っても、いたるところにゆるやかな起伏があります。
デンマークは北国でありながらも、暖かいメキシコ湾流の影響で、適度な気温があります。夏場は平均気温16℃と涼しく、冬も大雪になるというほどではありません。地域による温度差は少ないものの、冬場は内陸部で最も冷え込み、夏はシェラン島南部などで最も気温が上昇します。また、高緯度(北緯54度〜58度)のため冬は日照時間が短く、薄暗い日々が続き、逆に夏は日が長く、日差しも強くなります。しかし、他の北欧に見られるような白夜はありません。
デンマークは偏西風帯に属しているため、年間を通して規則的な降雨があります。天気は変わりやすく、短時間で大雨から雲ひとつない青空へと変わることもあります。強い風を利用しての風力発電も盛んです。しかし、沿岸では砂丘が発達して、灯台が砂に埋まりかけている例も報告されています。
この本土のほかに、フェロー諸島とグリーンランドという自治領(つまり、かつての植民地)もデンマークに属しています。
フェロー諸島は、ノルウェー・アイスランド・イギリスの中間点にあり、18の島々から成り立っています。9世紀にノルウェーのバイキングが入植した土地で、現在は約45,000人の住民がいます。一方、グリーンランドは、日本の約6倍という世界最大の島で、カナダの北東に位置しています。985年にノルウェー人の「赤毛のエイリーク」が植民を開始し、12世紀にはカトリックの司教座も置かれました。(なお、エイリークの子レイブは、コロンブスに先がけて北米大陸に到達したといいます。) 今日ではエスキモーとヨーロッパ人の混血を中心に、約56,000人が暮らしています。
フェロー諸島もグリーンランドも、かつてはノルウェー王国の領土でしたが、1380年のデンマーク・ノルウェー同君連合によりアイスランドとともにデンマークの統治下に入りました。